♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
氷の世界


そろそろ氷のカギの世界へ行くことに決めたわたし。
ちょっと格闘場のCクラスを勝ちぬいて、マノン(ガメゴン)りざ(たこつぼこぞう)を配合して、
ドライゴンハミングをパーティに加えて、さあ、出発!!
ちなみに、今のメンバーは、カプリ(ようかいぎょ)、イカルガ(イカずきん)、ハミング(ドライゴン)よ!


氷のカギを使って、イセカイに着いたわたしたち。
ひゃー、さ、寒いわ…
辺りは見渡す限りの銀世界。
マルタではもちろん、前に住んでいたところでも、こんな雪の世界は初めてだから、ちょっとびっくり。
少し歩いてみると、海に出たのだけれど、海にも厚い氷が張っている。
とても綺麗なのだけど…なんだかもの哀しい感じがするのはなぜかしら?
その理由は、しばらくすると分かったわ。
お日様が出ていないの。
空には、灰色の暗い雲が厚く広がっているだけ…
だから、雪が銀色に光って見えるというより、暗い中で、白い色が目立っている、というだけみたいなの。
…なんだか、イヤな予感がするわね…


扉のほこらを出て、北西の方向に進んでみると、お城が見えてきたわ。
ちょうどよかったわ!
みんな、敵が強くてヘトヘトになってしまっているし、体も冷え切っているから、少し休みましょう!
この世界のことも、何か聞けるかもしれないし…。


その国の名前は、ノースデン。
家がレンガで造られているのは、きっと寒さを防ぐためね。
でも、…なんなの?このピリピリした雰囲気は…?
なんだか町のみんなが、緊張した顔をしているの。
何があったのか、町の人たちに聞いてみることにしたわ。
すると、この国と、西の国との国境の鉱山で、金が発見されたらしいことがわかったの。
しかも、お互い、自分のものだと言って、一歩も譲ろうとしない。
そんなことで、西の国との間が険悪になってきているみたい。
そんなに、金がほしいのかしら…。
話を聞いていくと、金の話だけではなくて、北に泉があるらしいことが分かったわ。
そこには大空のたてというものが祭られている、ということや、
その泉が、鉱山で金が見つかったとたんに凍りついたこと…。
これは偶然?それとも…
とにかく、わたしは王様に会うことにして、お城へ行ってみた。
だけど、王様は子供に会っていられるほど暇じゃない、と、兵士に言われてしまったわ。
なんだか悔しいけど…それもわからないではないわね…


仕方ないから、北の泉に行ってみることにするわ!
泉はノースデンのお城から、山に沿って北にあるそう。
行ってみると…確かにウワサ通り、泉の水は冷たく凍っていた。
泉の真ん中に、丸いものが置いてあるけれど…あれが大空のたてかしら…?
わたしは泉の真ん中まで行ってみることにした。
ハスの葉っぱが、道のように真ん中までつながっていたから、その上を渡って行ったの。
…なぜか葉っぱは凍ってなかったのよっ!


たてを触ってみる。
冷たいわ…泉のように凍ってはいないけれど、いつか、それも早いうちに凍ってしまうかもしれない…。
と、そのとき。
どこからともなく、女の人の、美しい声が聞こえた。

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