そしてマルタの運命は… ドークとの戦い… ドークは、思ったより強かった。 でも、負けるわけにはいかない! 私たちは…マルタの人々の運命を背負っているんだから!! ドーク「…ななにこの私が… そうか…そういうことですか… あなたが宝を求めているのは、見栄や欲ではない… どうやら、私の勘違いだったようですね… 私の負けです。そこの宝箱を開けなさい…」 ドーク… 見栄や欲で、へそを求めたりすると思う? クリス「いたわよ、そこにひとり…ドークが…」 ドークが指し示した宝箱を開けると… 中には真っ白な“不思議なへそ”が収まっていた… ワルぼう「ほう、これが不思議なへそか…」 そうよ。さっそく、はめてみましょうよ! 私とワルぼうは、不思議なへそをマルタのへそにはめた。 … おさまっ…たわ! ワルぼう「見ろ!ぴったりだ!ついにやったな、イル!!」 よかった!これでマルタは救われたのね! がたがたがた… え? なに、今の揺れ… ワルぼう「あわわわわ!どうやら間に合わなかったようだ! へそは閉じれたけど、もうマルタを支えるだけの生命力が残っていなかったんだ!」 う、うそ! じゃあ、せっかくへそは閉じたのに、結局マルタは沈んじゃう、ってこと!? ワルぼう「もうこうなったら、どうしようもないか… 島から逃げ出せとみんなに伝えてくれ! オレはここでもう少し時間をかせいでみる… さあ、ここでお別れだ!気をつけてな…イル。」 ちょっと、ワルぼう!? なにワルっぽくないこと言ってるのよ!? ワルぼう「…ほら、さっさと行けよ!」 そのとき。 …マルタのへそに、生命力が戻ってきている…? マルタ王「みなのもの、よく来てくれた! 紹介しよう!この者がマルタを救った勇者イルだ!」 しばらくの後、私たちはマルタの城の謁見の間にいた。 あの時… 私たちが旅をしてきた町の人々からのエネルギーが集まってきて… それが、マルタの生命力になって、島は沈まずにすんだ。 なにはともあれ、よかったわ! 勇者だなんて、照れるなぁ… そして。 私たちの生活は平和なものになった。 …わけでもないのよねー。 だって、毎日のように、ワルぼうとカメハ王子はいたずらばっかりだし、 クリスは家に居座っちゃってるし! でも、変化のない日々じゃつまんないわ! そうそう。私ね、これからも旅を続けることに決めたの。 ワルぼうがね、今度は私自身の旅をすればいい、って、言ってくれたのよ。 そうね。これから私は、私の旅をする。 目的なんかないわよ。 でも、いいじゃない、目的なんかない旅でも。 すべてに目的がなくちゃいけないなんて、そんなのつまんないわ! そう思わない? クリス「あんたはフーテンの寅か…」 いいじゃないの♪ そう、私の旅は始まったばかり。 さぁ、次のイセカイに出発よ!! ■ あとがきへ ■□ 前の日記へ ■□■ イルの冒険INDEXへ |