♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
そしてマルタの運命は…


ドークとの戦い…
ドークは、思ったより強かった。
でも、負けるわけにはいかない!
私たちは…マルタの人々の運命を背負っているんだから!!


ドーク「…ななにこの私が…
そうか…そういうことですか…
あなたが宝を求めているのは、見栄や欲ではない…
どうやら、私の勘違いだったようですね…
私の負けです。そこの宝箱を開けなさい…」


ドーク…
見栄や欲で、へそを求めたりすると思う?

クリス「いたわよ、そこにひとり…ドークが…

ドークが指し示した宝箱を開けると…
中には真っ白な“不思議なへそ”が収まっていた…


ワルぼう「ほう、これが不思議なへそか…」

そうよ。さっそく、はめてみましょうよ!
私とワルぼうは、不思議なへそをマルタのへそにはめた。

おさまっ…たわ!

ワルぼう「見ろ!ぴったりだ!ついにやったな、イル!!」

よかった!これでマルタは救われたのね!
がたがたがた…
え?
なに、今の揺れ…

ワルぼう「あわわわわ!どうやら間に合わなかったようだ!
へそは閉じれたけど、もうマルタを支えるだけの生命力が残っていなかったんだ!」


う、うそ!
じゃあ、せっかくへそは閉じたのに、結局マルタは沈んじゃう、ってこと!?
ワルぼう「もうこうなったら、どうしようもないか…

島から逃げ出せとみんなに伝えてくれ!

オレはここでもう少し時間をかせいでみる…

さあ、ここでお別れだ!気をつけてな…イル。」


ちょっと、ワルぼう!?
なにワルっぽくないこと言ってるのよ!?

ワルぼう「…ほら、さっさと行けよ!」

そのとき。
…マルタのへそに、生命力が戻ってきている…?




マルタ王「みなのもの、よく来てくれた!
紹介しよう!この者がマルタを救った勇者イルだ!」


しばらくの後、私たちはマルタの城の謁見の間にいた。
あの時…
私たちが旅をしてきた町の人々からのエネルギーが集まってきて…
それが、マルタの生命力になって、島は沈まずにすんだ。
なにはともあれ、よかったわ!
勇者だなんて、照れるなぁ…


そして。
私たちの生活は平和なものになった。
…わけでもないのよねー。
だって、毎日のように、ワルぼうとカメハ王子はいたずらばっかりだし、
クリスは家に居座っちゃってるし!
でも、変化のない日々じゃつまんないわ!
そうそう。私ね、これからも旅を続けることに決めたの。
ワルぼうがね、今度は私自身の旅をすればいい、って、言ってくれたのよ。
そうね。これから私は、私の旅をする。
目的なんかないわよ。
でも、いいじゃない、目的なんかない旅でも。
すべてに目的がなくちゃいけないなんて、そんなのつまんないわ!
そう思わない?

クリス「あんたはフーテンの寅か…」

いいじゃないの♪
そう、私の旅は始まったばかり。
さぁ、次のイセカイに出発よ!!


――THE END――

■ あとがきへ
■□ 前の日記へ
■□■ イルの冒険INDEXへ