♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
サーカス体験談


マルタのへその代わりを探すため、スラッシュを連れて、イセカイへ旅立つことになったわたし。
ワルぼうに、“オアシスの鍵”“マルタの鍵”をもらって、出発!
オアシスの鍵が、イセカイへの鍵。マルタの鍵が、イセカイから帰ってくるときに使う鍵みたい。
さっそく、井戸の奥の不思議な扉の鍵穴に、オアシスの鍵を差し込んでみた。
な…何かしら、なんだか、吸い込まれちゃうみたい…


 気が付くと、わたしとスラッシュは、不思議な扉の前にいたわ。
 でも…、どこか、マルタとは違った雰囲気。
 そうか、ここはもう、イセカイなのね。
 …大丈夫かしら…なんだか不安。
 連れてきたスラッシュだって、レベル1だし、HPは25しかないし…
 その前に、牧場の番人連れてきちゃってよかったのかしら?


 扉のほこらを出ると、どこまでも、砂漠が続いていたわ。
 あ、暑い…
 まだちょっとしか歩いていないのに、汗がだらだら流れてくるの。
 なんだか、マルタの暑さとは、また違うみたい。
 それに、砂は目に入るし、のどが渇くし…。
 歩いていたら、丸いサボテンがずいぶんはえていた。サボテンは、水がなくっても育つものね。…

 やだ、これサボテンじゃないわ!魔物じゃないの!!


 サボテンもどきは、あとで調べたら、サボテンボールっていうまものらしいわ。
 ここで初めての戦いになったのだけれど、そのサボテンボール、とっても強かったの!
 それでも、暑さでもうろうとしているスラッシュが、一生懸命戦ってくれたおかげで、なんとか勝てた。
 そうしたら、サボテンボール、わたしたちのなかまになりたいって言うの。
 もちろん、大歓迎よ!
 かわいい名前をつけてあげなくっちゃね…うん、決まったわ!あなたは今日からリッケンよ!


 しばらく、わたしたちが歩いていると、小さな村があった。
 こんなところで生活している人もいるのね。
 村の名前はカラカラ・・・じゃなくてカルカラ。
 村の宿屋で一休みしてから、村を見学してみることにした。
 マルタのへその情報も聞けるかもしれないしね。
 …けれど、だれもマルタのへその代わりのものを知らなかった。
 ある人が、「アッシアの王様が知っているかも」っていうから、あとで行ってみることにするわ。
 あと、盗賊団が、この辺りを荒らしているというウワサを聞いた。
 そして、その盗賊団は、モンスターマスターだということも。

 まものを利用して盗みをはたらいているなんて、許せないわね!!


 村を出て、南にあるというアッシアの都を目指すわたしたち。
 途中で、これも後で調べたんだけど、ぶちスライムっていうまものに出会った。
 仲良くなったので、連れて行くことにしたわ。
 名前は、ジキル。かわいいでしょ?


 無事、アッシアの都にたどりついたわたしたち。
 そういえば、石壁でできた家が多いわね。
 人に聞いたら、そのほうが涼しいんですって。 確かに、そうかもしれない。
 ここでも一休みして、町を歩いてみることにした。
 ここでも、マルタのへその代わりの話は聞けなかったわ。
 でも、代わりに面白い情報を聞いたの。
 今、この町にサーカス団が来ているんですって!
 というのも、ここの王様、大のサーカス好きなんだとか。
 私も、サーカスって大好きよ!
 わたしは、宿屋にいるというサーカス団の団長さんに会いに行ってみることにした。
 それが…
 ウワサの盗賊団に襲われて、サーカス団員がちりぢりになってしまったそうなの。
 まったく、ひどい話だわ!
 それでね…わたしたち、サーカス団に入団することになっちゃったの!
 王様の前で興行するのに、団員が少なすぎて困っていたんだもの。
 でも…わたしたち、芸なんてできるのかしら!?


 …なんて、心配は無用だったわ。
 スラッシュ・リッケン・ジキルが、上手に火の輪くぐりをしてくれたの。
 ただ、リッケンって、元はサボテンだから、ちょっとコゲてたけど。
 …大丈夫よ!ちゃんと治療したから!
 王様はご機嫌なようす。…よかったわ。
 あとで、団長も褒めてくれたしね。
 う〜ん、今度はどんな曲芸を見せようかしら…

って、そんなこと考えてる場合じゃないわ!
 わたしがしなくちゃならないのは、マルタのへその代わりを探すことよ!
 そういえば、わたしたちがここに来たのは、王様に、マルタのへその代わりの情報を聞くためだった。
 じゃあ、王様に会いにいってみようっと!


 …でも、今日はなんだか疲れちゃった。
 王様のところへいくのは、明日になってからにしようっと。
 おやすみなさい。


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