ダンサー・いか なんだか、ここに出るの、久し振りね。 ほんとは、もっと早く、冒険のお話をしたかったんだけど、クリスがサボってて!(怒) なぁ〜にが「スランプなんです…」よ! テリー君の方はさくさく書いてたじゃない!(すいませんすいません) まぁいいわ! 前回、どこまで冒険をしたのかというと、水の世界の“ポローニャ”という町で、 北の岬の洞窟に水のまものが巣くっている、というウワサを聞いたところまで。 今日は、そのウワサをもとに、洞窟へ行ってみるわ! ちなみに、今のメンバーは、スラッシュ(スライム)・カリン(キラースコップ)・ビーン(ビーバーン)よ。 途中で、アントベアのミューイと、マタンゴのエラン、ぐんたいアリのプリンを仲間にしたわ。 それにしても…本当に、女の子ばっかり!…今は女性の時代なのね! 洞窟に入ると、…うわぁ、水がいっぱい! 洞窟の中は、緩やかな傾斜になっていて、…どこかで海とつながっているのかしら? 流れているのは海の水みたいだし、磯の香りがぷんぷんするわ。 …ただ、洞窟の中って空気の循環悪いから、潮の匂いがこもっちゃってるんだけど… そんなことを思いながら、進んで行くと、…いたわ!水のまものよ! 初めて会ったのは、アクアパラソルっていう、傘みたいなまものよ。 う〜ん、かわいいわ!さっそく、お肉をあげましょう! …でも、ほんとうに、水のまものってかわいいわね!お肉を大量に仕入れておいて正解だったわ! ここで仲間にしたのは、アクアパラソルのトパーズ、オクトリーチのニース、マーマンのマフィン、 それにプチイールのたぷん。たぷんと、ついでに仲間にした(笑)トーテムキラーのゼロだけがオス。 ここで、長い間、一緒に旅をしてきたスラッシュとはお別れ。かわりにニースを加えたの。 スラッシュってば、 「オレがいなくなったからって、気を落とすんじゃねェゼ!」 なんて言ってたけど…もしかしたら、彼も淋しかったのかもしれないわね… 「なんだお前たちは!」 なっ、なんだ、って… 随分えらそうなイカね! 洞窟の奥のほうにいたのは、赤い頭巾をかぶった、大きなイカだった。 「ここはオレのなわばりだ! 勝手に入って荒らしていくヤツは容赦しねぇ!」 あら、イカにも縄張り意識ってあるのね…知らなかったわ… そのまものはイカずきん。ここの洞窟のボスらしい。 彼は、わたしたちが無断で宝箱を開けたりしたのが気に入らないみたいで、戦いを仕掛けてきたの。 そりゃそうかもしれないわ! だけど、彼は意外と物分りがよくてホッとした。 彼は、わたしたちの仲間になりたいと申し出てくれたの。 「いっておくがオレのおどりはサイコーだぜっ!」 …だって。はっきり言って、 イカの踊りなんて… って思ったのだけど、どこかでこの珍妙な特技が役に立つかもしれないわ! ここで、ビーンを牧場に返して、イカずきんのイカルガを仲間に。 …ちょっとまってよ。 “イカずきん”って…“あかずきん”のシャレ!? …まぁ、それはいいわ… とにかく、洞窟を出て、ポローニャへ戻ることにしたの。 町に戻った時には、もう日が暮れていた。 冒険は明日することにして、宿屋で休んでいると、イカルガが落ちつかない様子なのに気がついたわ。 なにかしら? とても外に出たそうにしているから、わたしたちは一緒に外に出てみることにした。 海辺の町を夜、お散歩するっていうのも、悪い趣味じゃないもの。 と、浅瀬の辺りで、吟遊詩人さんがハープを弾いているのに出会ったわ。 話を聞いてみると、昔は、人も人魚も、一緒になって歌ったり踊ったりしていたんですって。 だけど、それができない今、昔を忍んで、こうしてハープを奏でていると… 彼は少し淋しそうに語ってから、わたしたちに、ハープの音色にあわせて踊らないか、と持ちかけてきた。 わたしはもちろん、頷いたわ。 人魚さんたちにも、昔を思い出してほしい。少しでも、優しい気持ちになってくれたら… 「うまいうまい!あなたたちの踊りには光るものがあるわ!」 海からひょっこり顔を出したのは、…人魚だわ! しっとりと濡れたブロンドを、白い肌にまとわりつかせた、綺麗な人魚は、 わたしたちに笑いかけて、…よくわかんないけど、小さなメダルをくれたの。 そのまま、彼女は海に潜って行ってしまったけど… 吟遊詩人さんも、驚いていたわ。 でも、嬉しかった。人魚が、人間を心から憎んでいるわけじゃないこと、わかったもの! わたしたちは、とても満足な気分で、宿屋のベッドにもぐりこんだ。 今日はいい夢が見られそうね! おやすみなさい! ■ 次の日記へ ■□ 前の日記へ ■□■ イルの冒険INDEXへ |