♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
月の石


わたしたちは、ポローニャを出て、他の場所へ行ってみることにしたわ。
いつまでも同じ場所に居座っているわけにもいかないしね。
だけど、このあとどうしたらいいのか分からないから…
無目的になるけど、しばらくうろついてみることにするわ!
…そういえば、西の岬の洞窟に向かう途中で、北に向かって橋がのびていたわね…行ってみましょう!
クリスも、今日は調子いいみたいだし!


北のほうへ行ってみると、ポートリッツという名前の港町があったわ。
結構にぎわっているように見えたんだけど、実はそうでもないみたい。
いつの頃からか、海の水が少なくなって、港が浅瀬になってしまって、船がやって来れないんですって。
座礁でもしたら大変だものね。仕方ないか…
でも、どうしてそんなことになったのかしら。ちょっと気になるわ!
これ、絶対、破壊の鏡と関係あるものね!
RPGの基本よ!


ひととおり、町の中を見て回ったわたしたち。
ちょっとうらぶれた所に、酒場があるのを見つけたわ。
酒場なんて、私にはまだ早いんだけど、
ここで飲んだくれているおじいさんが、海賊に捕われていた時の武勇伝を聞かせてくれるらしいのね。
そんなことを、町の男の子に聞いたの。
海賊といえば、人魚たちから破壊の鏡を奪ったといわれる人たち。
なにかの手がかりがあるかもしれないわね!


そのおじいさん。酒場の奥で、とろんとした目でグラスを傾けていたわ。
グラスの中には、…なんのお酒なのかしら?妙に毒々しい色のお酒ね…
それを飲みながら、何かをぶつぶつつぶやいている。
…お酒くさい…
それでも、わたしたちが近づいていくと、いきなりおじいさん
「ぅわぁしの武勇伝を聞ぃきにきたのかぁぁ!」
ビックリさせないでよ!
まぁいいわ…それにしても、ずいぶん自信ありげね…
よっぽどの武勇伝なんだわ!
わたしたちは頷いて、おじいさんの武勇伝を聞くことにしたわ。
おじいさんは、大きく頷いて、たっぷりと間を持って、語り始めた…
「これはな、わしがまだ若かった頃…」


「…というわけじゃ!」

武勇伝でもなんでもなかったじゃない!
…えぇと、話をかいつまんで話すとね、おじいさん、海賊に捕まっていたとき、
海賊たちが、宝物を沖の火山島に隠そう、って話をしていたのを聞いてしまったんですって。
で、東の灯台から月の石を奪ってしまえば、火山島には近づけなくなる、なんてことも…
おじいさんの“武勇伝”、武勇伝って気がしなかったけど、“月の石”のことはなんとなく分かってきたわ。
きっと、“月の石”って、潮の満ちひきを調節するものなのよ。
だから、ポートリッツ近海に、浅瀬が増えたのも、きっと月の石が奪われたせい。
…ちょっと発想が突飛だ、って?
そーゆーことはクリスに言ってね。
(だぁ〜ってぇ〜。月の石の説明、めちゃ少ないんだも〜ん。byクリス)
…でも、だとしたら、月の石は今、どこにあるのかしら?
う〜ん、私の予想では、海賊が奪ったとすると、海賊たちが持っていると思うんだけど…
でも、海賊たちの船って、幽霊船になってさまよっているんじゃなかったかしら?だとしたら…


あ、ちなみにおじいさん、その話を聞いて、泳いでで逃げたんですって。
ほんとに、武勇伝ぽくないわ!(イルちゃん、しつこいよ)


そうそう。
酒場を出ようとしたら、イキナリの再会!
そう。カメハ王子よ!
カメハ王子も、ここまで来ていたのね…
失礼なことには、
「お前のまもの、弱そうだな。」
ですって!ほんと、失礼な王子だわ!
自分はまもの、連れてないくせにっ!
…そういえば、マルタのへそが壊れたとき、ワルぼうが、
「モンスターマスターでないとイセカイには行けない」って言ってたわね…
カメハ王子って、何なの!?


そういえば、カメハ王子ってば、2人も子分を連れていたわ。
へっぽこ王子のお供なんてもの好き
とも思ったんだけど…なーんか、ひっかかるのよね…。


まぁいいわ!
ちょっとヤだけど、次は月の石を探しに、幽霊船に乗り込むわ!

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