♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
破壊の鏡


月の石を灯台に戻し、浅瀬がひいたところで。
さっそく、沖の火山島へ出発よ!
…「さっそく」ってわりには、前から時間が経ち過ぎだ、って?
だって、クリスってば、お兄ちゃんと遊んでばっかりなんだもん!

えーん!!(ごめんよう…だって…ルカっちのほうが強いんだもん…)


…まぁ、それは置いておくとして。
わたしたちは、ホタテ貝(笑)にのって、沖の火山島へ出発した。
そうそう。
一応書いておくと、メンバーは、ビーン(ビーバーン)・イカルガ(イカずきん)・ニース(オクトリーチ)よ。


沖の火山島には、洞窟があった。
入って大丈夫なのかしら…入ったとたん火山が爆発して、
土石流で入り口塞がっちゃったりしないわよね!?
ちょっと心配なんだけど…クリスがそういう方向に持って行く可能性もあるし…(ない、っつーの)
まぁ…行ってみましょ!


「ハッハッハ!ここまでの案内ごくろう!」
洞窟に入ったとたん、後ろから聞き覚えのある声がしたわ。
か、カメハ王子!?
彼は、驚いたわたしたちを見て、ちょっと自慢げに言ったわ。
「お前なら宝のありかを見つけてくれるだろうと、後をつけていたのさ!」
それって、
他力本願
っていうんじゃないの?
しかも、それを認めちゃってるわ…
カメハ王子、あなどれないわね!!(なんかズレてない?)
カメハ王子と仲間たちは、わたしたちを突き飛ばして、奥へ走って行ったわ。
他力本願王子には負けられないわね!!


「ゲッ、もう追いついたのか!意外に素早いな…」
あなたたちが遅いだけじゃないの?
だって、わたしたち、あれから随分迷ったし…(笑)
カメハ王子たち一行は、もっと奥へ走って行こうとしたわ。
あっ…!だめよ!

ピューン。
あららら…
せっかく、地盤が緩んでるみたいだから、走っちゃダメ、って教えてあげようと思ったのに…
いいわ!
彼らが穴に落ちた隙に、こっちがリードよ!


「どけどけっ!オレが先に宝をみつけるんだ!」
意外に素早いわね!!(笑)
って…ちょっと待ちなさいよ、あなたたち!

どっすんごろごろ。
「あ〜れ〜…」
だから、ひとの話は聞きなさいよ。
せっかく、上の穴から岩が落ちそうだよ、って教えてあげようと思ったのに…


そんなことがありながら、わたしたちは最後のフロアへ出た。
奥の壁には、宝箱が3つ並んでいて、中からきらきら輝く財宝がたくさんのぞいていたわ。
わたしたちが先だったわね!これで宝はわたしたちのものよ!
…って、なんか違うような気がするけど…まぁ、いいわ!
わたしたちが宝箱のほうへ歩み寄ろうとしたとき。
「ゼイゼイ…やっと見つけた!これで宝はオレのものだ!」

しぶといわね!(それじゃ悪役だってば)
わたしたちがカメハ王子とにらみ合っていた、そのとき。
カメハ王子の仲間の、青い服の男が、彼をつきとばしたの!
なんなの!?
青い服の男と、赤い服の男は、顔を見合わせて頷いて、宝箱の前へ走って行ったわ!
わたしたちが彼らを捕まえようとしたときには、もう遅かった。
彼らは不思議な布に包まれた、丸い鏡を取り出していた。
「!?一体全体、お前たち、どういうつもりだ!」
カメハ王子
の声に、彼らは正体をあらわした!
まものだったの!?
彼らは、カメハ王子のことを役立たずとか、ののしっていたけど…
あんたらも同類よ!っていうか、それ以下!
彼らは、手に入れた破壊の鏡を、“王”への贈り物にする、と言っている。
…?どこかで似たようなことを聞いたような気がするんだけど…
そのとき。
カメハ王子がついに怒ったわ!
真っ赤な顔で、地団太をふんで…

穴が開いちゃったわ!!
まっ逆さまに落ちて行くまものたち。
…よくわからないけど…一見落着、なのかしら…?
「あんなヤツらを信じたオレがバカだったよ。
そのお宝はお前が持って行けよ。じゃあな」

そういって、カメハ王子がくれたのは、他でもない、破壊の鏡!
やったわね!
…この鏡、いつヤツらから取り返したのかしら…?
そのとき、どこからともなく、ワルぼうの声が聞こえて、わたしたちはマルタへ帰ってきた。
うまく、へその代わりになってくれるといいけど…

■ 次の日記へ
■□ 前の日記へ
■□■ イルの冒険INDEXへ