♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
いきなり乱入者!?


ワルぼうに、空を飛ぶ力をもらって、家に帰ることにしたわたしたち。
本当は、天空のかぎも探さなくちゃならないんだけれど、戦士にも休息は必要だわ!
…え?休息ばっかりじゃないか、って?
そういうことは、クリスに文句言ってね♪


ルカ「なぁイル!またイセカイのこと聞かせてくれよ!」

牧場につくと、お兄ちゃんが、真っ先にわたしを見つけて、話を聞きたがった。
話してあげると、今度はお兄ちゃんが、牧場に牧舎ができたことを教えてくれたわ。
牧舎では、仲間が増えすぎたら、まものを冬眠させることができる、ということ。
これで、心置きなく、まものをなつかせることができるってワケね!
牧舎の説明をしてくれた後、お兄ちゃんは、とても言いにくそうな顔をして言ったわ。

ルカ「ねぇ、イル…
実はほんのちょっと前から、イルにお客さんが来ているんだけど…」


お客さん?誰かしら…?
そのお客さんは、家でわたしを待っているそう。
あんまり待たせるのもよくないし、わたしはすぐ、家に向かうことにしたわ。


“お客さん”に会うため、あわてて帰ったわたしが見たのは、背を向けて座っている、髪の長い女性。
彼女はくるり、と振り返り、わたしを見て、

*「はぁいv」

なんでクリスがいるのよ!?

クリス「帰ってくるの、遅かったねー。どこで油を売ってたのかな〜?」

だーかーらー!

クリス「ん。なんていうか、出たくなったから。
だって、ここまで頑張ってきたけど、内容はルカっちと同じ、みたくなってきたんだもん。
ここで少し、趣向を変えてみようかと思って。
次の世界は、イルイルと一緒に行こうかと思ってるの。っていうか、行くねv」


…なんていうか、強引だわ!
でもまぁ、いいでしょう。ジャマになったら捨ててくればいいんだし!

クリス「…イルイルってば、なんかヤなヤツになりかけてない…?」

大きなお世話よ!
クリス「ううう、なんでこんな子になったかなぁ…更正させなきゃ…」


クリス「じゃあ、さっそく行きましょ!確か、このあたりで、メダルじいさんが出現するはずよ!」

なんでそんなこと知ってるのよ〜!
クリスの言う通りに、預かり所の上に行ってみると、果たして、新しいウチができていたわ。
中に入ってみると、おじいさんとおばあさん、それにメタルスライムがいた。

おじいさん「わしはメダルじいさん。小さなメダルのコレクターじゃ。
この間、マルタの国に引っ越してきたんじゃよ。
わしは世界中にちらばる小さなメダルを集めておる。」


クリス「ねぇねぇ、イルイル、何て言うか、シリーズを経るごとに、メダルコレクターの質が変化してってない?
最初は王様だったのにさ、おじさんになって、挙句ぽよじいさんよ?」


おじいさん「…なんか言ったかの?(怒)」

クリス、聞こえてるわよ!
おじいさんは、メダルを見つけて持ってきたら、賞品をくれる、と言ってくれたわ。

クリス「…他力本願…」

おじいさん「…なんか言ったかの?(怒)」

とにかく、そこからクリスを引っ張り出して、わたしは預かり所へ行ったわ。
前に見つけたメダルを全部預けてあったからね。
メダル8枚をおじいさんに渡してから、わたしたちは天空のかぎを探すことにした。


お城の方へ行ってみると、兵士がかけよってきたわ。
何事かしら?

兵士「カメハ王子が長い間城に帰ってこられないのだ…
王様も、最初はいつものいたずらと思っておられたのだが、近頃心配で仕事も手につかないご様子。
おい、おまえたち!カメハ王子を見かけなかったか?」


クリス「見ませんでした!

ちょっと、クリス!?

クリス「だって、カメハ君ひとりいなかったところで、誰も困らないし…
しかもここの王様って、性格悪そーだし。星降りの大会のとき、タイジュに殴り込みかけてきたし。」


そ、そーなの…?

兵士「あああっ!もうお前には聞かんっ!
…そこの子供っ!カメハ王子を見かけなかったか!?」


え〜と…イセカイで見た…と思うわ!

兵士「…なに!?カメハ王子をイセカイで見ただと!!
ちょっと王様のところまで一緒に来てもらおう!」


わ、わかったわ!クリス、行くわよ!

クリス「ってゆーかぁー、向こうから来い、っつーの!」

クリス、地が出まくってるわよ!


兵士に連れられて、謁見の間に連れていかれたわたしたち。
大きな玉座には、でっぷり太った、ヒゲのおじさんが座っている。
これが、マルタの王様ね!
…全然似てない親子だわ!

兵士「この者が王子の行方を知っていると申しております。」

王「おお、それはまことか!?…して、どこでカメハを?」

わたしは、身を乗り出してきた王様に、逐一報告したわ。
話を聞き終わって、王様は、ふう、と大きなため息をついて、

王「ウワサは本当であったか…島で見つからんはずだ…
まぁ無事なら、いないほうが静かでよいのだがな。」


クリス「ほら、イルイル。
実のおとっつあんまで、カメハがいないほうがいいってよ?」


それはタテマエよ!
王様は、とてもとても胡散臭げな顔をクリスに向けてから、わたしに言ったわ。

王「…まぁ、よい。カメハを見かけたら、またわしに知らせてくれんか?」

そう言って、小さなかぎを渡してくれた。
これ、天空のかぎ?
王様は頷いて、

王「同じものをカメハも城から持ち出しおってな。」

クリス「じゃあ、わざわざ聞かなくたって、イセカイに行ったのバレバレじゃん…」

王様は、今やカンペキにクリスを無視して、わたしに、カメハ王子のことを頼んだわ。
まぁ…なんとなくヤだけど、彼だって、一国の王子様だからね。仕方ないわ。


天空のかぎを手に入れたから、次のイセカイに旅立つことにするわ!
一応、ワルぼうに挨拶してから行きましょう!
ワルぼうは、アナにはまったまま、わたしに言った。

ワルぼう「おお、天空のかぎを手に入れたようだな、イル。
…っていうか、そのオマケはなんだ!?


クリス「オマケって何よオマケって!

仕方ないから、わたしはワルぼうに事情を説明したわ。
ワルぼうは、なんだか釈然としない様子だったけれど、カメハ王子が先に行ったこと、
いいかげんに自分も限界、ということなどをわたしに言った。
そうね!早くしないと、島が危ないわ!
わたしたちが、扉に向かおうとした時、ワルぼうが叫んだわ。

ワルぼう「おいイル、その女が変なしくじりをしないように気をつけろよ!」

クリス「どぉゆぅ意味よッ!!

ああ、なんだか嫌な予感がしてきたわ…


クリス「ねぇねぇ、イルイル〜、かぎ、さしていい?いい?」

なんでそんなに嬉しそうなのよ…
…まぁ、いいわ。
わたしはかぎたばをクリスに手渡した。

クリス「わーいv」

かちゃっ。かしゃっ。
クリスが鍵穴にかぎをさしいれて、わたしたちは次なるイセカイに旅立った…。


……

…………





クリス「…あれ?
間違えた?」


「あれ?」じゃなぁぁぁぁいっ!!


あああ、こんなことで、大丈夫なのかしら…先が思いやられるわ…
(ちなみに、もちろん多少フィクションです。(笑))


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