♪ぶっつけ本番旅日記♪partI
突撃!鳥の家


大賢者ウゴールに変化の杖をもらったわたしたちは、さっそく、光のオーブを取り戻しに行くことにしたわ。
…あれ?どうしたの?“クリス@ようかいぎょ”?

クリス「いつになったら戻るの〜!?」

そ、そんなこといわれてもな…


わたしたちは、フントの村の南にある、隣の大陸へつながるつり橋へ向かったわ。
ただ、そのつり橋には番人がいて、人間は通してくれないみたい。
そうか、ここで変化の杖が役に立つわけね!
つり橋に着くと、…なるほど、大きなツノをはやした魔物が、やぶ睨みの目を光らせていたわ。

クリス「ほら、ここで使うのよ!ほら、イルイルってば!早く!」

なんでそんなにせかすのよ…?(笑)
でも、仕方ないわね!
わたしは、変化の杖をひとふりした。
白い煙がもうもうとわきあがって…


*「むっ…お前、村のヤツ…さっさと通れよ!

クリス「なぁ〜に怒ってんのよッ!?」



*「…お前、ほんとに村のヤツか?」

そ、そうですそうです!警備、ご苦労様です〜!

…ちょっとクリス!なに突っかかってんのよっ!バレたらどうするのよ?

クリス「だって、あんな態度取られたら気分悪いじゃん!」

だけど、バレて追い返されたら、もっと気分が悪いでしょ?

クリス「ま、まぁそうだけど…(なんでイルイルに説得されてるんだろ私…)」


ひともんちゃくあったけれど、わたしたちは無事、隣の大陸に渡ることができた。
クリスも元に戻ったし、とりあえずよかったわ。
少し歩くと、フントよりもわりと賑わった町が見えてきたわ。
町の名前は、ペイ。

クリス「なんか、めちゃめちゃお金の無駄遣いをさせられそうな名前の町ね…」

確かに言えてる…

クリス「しかも、町の入り口でアルミラージが『たいていのものは揃うわね』って言ってたけど…
品揃え悪いわよ。めっちゃ。


それも確かに…
「マルタの枝がない〜!」と叫ぶクリスとは他人のふりをして、わたしは情報を集めることにしたわ。
聞けた情報によると、

・町の西にある山に大きな鳥が住んでいる。
・光るものならヘルコンドル。
・人間の子供が大きな鳥にさらわれた。
・西のトンネルを抜けるとヒターノの城あり。
・ヒターノの城は宝捜しで大にぎわい。
・新しい魔王が現れた。
・新しい魔王には逆らえない。

と、いうこと。

クリス「やだ、誘拐事件まで起きてるの?
イルイルも気をつけなきゃだめよ。」


そうねー。
…なにかしら?微妙に、“人間の子供”っていうのがひっかかるけど。
まぁ、いいわ。つまりは、西に行けばいい、ということよね。


まず、西の山を目指すことにしたわたしたち。
かなり歩いて、「本当にこっちでいいの?」ってクリスがいぶかしがるほど歩いた頃に、
やっと山が見えてきたわ。

クリス「あれ…山?

…細かいことは、この際抜きよ、クリス。
山に近づいていくにつれて、だんだん、その全貌が明らかになってきた。
てっぺんに、でっかくごちゃごちゃあるのが、きっと鳥の巣ね。
でも、そこまで登るのは難しそう。足場が全然ないんだもの。

クリス「それはさ、光るものに変身して、鳥にさらわれればいいのよ。
登らなくてすむじゃない?」


あ、言われていればそうかもね。
わたしたちが、山の近くまで行った、その時。

*「クエェェェ〜!」

きゃーっ!


なんだかよくわからないうちに、わたしたちは鳥にさらわれていた。
なんか…わたしたち、光ってたっけ?

クリス「ん〜?
……もしかして……
…ジュニアじゃない!?」


そっか!
ジュニアは、ソードドラゴンだったわね!
…光ってるかなぁ…?

クリス「まぁ…一応、光ってることにしようよ。なんとなく納得いかないけど。」

それもそうね。
わたしたちをさらった鳥の正体は…あっ!フントの塔で見かけたヘルコンドルだわ!

クリス「ここで会ったが百年目よ!さぁ、覚悟しなさいッ!!」


わたしが止める間もあらばこそ、クリスとそれにつられたみんなは、ヘルコンドルをぶちのめしていたわ。

クリス「ほらっ!あんた、光のオーブはどこにやったのよ!?え!?」

ちょっとクリス!なにも羽をむしらなくてもいいじゃない!

クリス「こうみえてもわたし、ユミちゃんと“れっつひきむしり”なのよ!?」

いや、そんな力いっぱい言われても…知らない人が聞いたら、すっごく謎だし。それ。
それに、…持ってないみたいよ、オーブ。
そう。
ヘルコンドルは、光のオーブを持っていなかった。

クリス「…じゃあ、どうする?」

そうね…仕方ないわ。
この鳥がオーブを取ったことは間違いないから、その後、誰かがねこばばした、ってことでしょ。
この世界にはあるはずよ!
それに…ペイの町で、“新しい魔王には逆らえない”って聞いたわ。
光のオーブは、魔物を操るチカラがあるんでしょ?

クリス「じゃあ、オーブは、魔王が持ってるかも、ってこと?」

そゆこと。
だから、これから、ヒターノの城へ行きましょ。魔王が治めている、って話だし。

クリス「とことん、長くなりそーね…」

クリスのオサボリ加減によっては、ね…


そんなわけで、わたしたちはそのまま、ヒターノの城を目指すことにした。

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